不育症でお悩みの方 不育症とは 不育症のリスク因子(検査異常) 流産回数との関係 治療成績 研究班からの提言 ヘパリンカルシウム在宅自己注射のお知らせ 不育症Q&A 研究者リンク 治験(臨床試験)のお知らせ 不妊症治療の助成について 研究者の方 代表者のごあいさつ 研究班員の紹介 不育症研究について 研究報告

不育症に関する疑問にお答えします。

Q17 不育症のため産婦人科医を受診したが、医療機関ごとに検査の内容も治療方針も異なるので、とまどっています。どうしてでしょうか?
A17 不育症に対するスクリーニング検査や、治療方針はこれまで定まったものがなく、混乱がおきていました。
そのため、厚生労働科学研究班(齋藤班)、日本医療研究開発機構(AMED)(齋藤班)では、不育症管理に関する提言を取りまとめ、全国の産婦人科医療機関に2011年3月、2019年3月に送付しました。このような混乱は、少しずつ減少しています。
十分に担当の先生方とご相談し、ご自身が納得のいく検査や治療を受けることをお勧めします。なお、不育症管理に関する提言は、ホームページ(http://fuiku.jp)に掲載されていますので、ご参照下さい。
Q18 不育症検査を受けたのですが、すべて正常なので、治療する必要はないといわれました。自費検査を含めて特殊な検査をできる病院に行った方が良いのでしょうか。とても不安です。
A18 不育症の検査を行なっても、6割以上の方は、はっきりとしたリスク因子が分かりません。
一般に、流産の約80%は赤ちゃん(胎芽、胎児)の偶発的な染色体異常で起こりますので2回流産した場合、計算上64%が偶発的事例、3回流産した場合51%が偶発的事例ということになります。偶発的な染色体異常は、カップルに何も異常がなくても、たまたま赤ちゃんに異常が起こるケースですので、特に治療をしなくても、次回の妊娠時には高い確率で出産に至ることが、厚生労働科学研究班(齋藤班)、日本医療研究開発機構(AMED)(齋藤班)でも判っています。
2回の調査で同様の結果が出ましたので、まずは薬を使わずに次回の妊娠に臨んで下さい。ただし、赤ちゃんの染色体に異常がないのにも関わらず流産となった場合、何らかの治療が必要です。担当の医師もしくは不育症外来を開設している医療機関への受診を勧めます。
カウンセリング等で十分にお話しをする方が、次回妊娠成功率が高くなるという報告もありますので、相談窓口や医療機関で十分な時間をとって相談されてはいかがでしょうか。
Q19 子宮の形が悪いと言われました。手術は必要でしょうか?手術をせずにすむ方法はありませんか?また、生まれてくる子は女の子だと、同じような子宮になるのでしょうか?また形態異常(奇形)の子になるのでしょうか?
A19 不育症イメージ画像不育症イメージ画像子宮の形態異常(子宮奇形)では手術を行うこともありますが、手術の有効性については研究班の多くの医師が認めています。その一方で手術により不妊症となる場合もあります。メリットとデメリットを理解した上で、手術療法を選択するか、経過観察を選択するかを決めて下さい。
子宮に形態異常があるからといって、そのために赤ちゃんに形態異常が出ることはありません。ご安心下さい。
Q20 私(夫)の染色体異常が不育症の原因と言われました。どうしたら良いでしょうか?また、染色体異常は遺伝するのでしょうか?
A20 染色体異常は持って生まれたもので治すことはできませんが、夫婦どちらかに染色体異常があっても子供を持てる確率は通常の人とは差がありません。
均衡型転座というタイプでは最終的に60~80%が出産に至ることが最近判ってきました。出産の確率や赤ちゃんへの遺伝については、染色体異常の種類によって異なりますので、しっかりと遺伝カウンセリングを受けることが大切です。
Q21 免疫療法(夫リンパ球移植療法)の治療成績や手技などについて教えてください。
A21 以前は、不育症(習慣流産)の場合に免疫療法(夫リンパ球移植療法)が行われていましたが、最近、治療の有効性が認められないという結果が得られ、アメリカでは研究目的以外には実施しないように勧告されています。日本でも行われなくなりつつあります。なお、リンパ球を放射線照射せずに注射した場合、宿主対移植片反応(GVHD)という重篤な副作用が起こることがあります。 そのため、不育症研究班では推奨していません。
Q22 不育症スクリーニングをしてもらうと血栓を起こしやすい体質だと言われ、アスピリンとヘパリンが必要だと言われました。妊娠中ですが、胎児への影響はないのでしょうか?
A22 不育症イメージ画像妊娠中の薬の使用については、事前にその必要性、効果、副作用などについて十分に説明を受けることが必要です。
医学的な必要に応じ、アスピリンやヘパリンが使用されることがあります。海外の大規模な疫学調査では、妊娠中のアスピリンと先天異常児の因果関係は認められていません。
また、ヘパリンは胎盤を通過せず、赤ちゃんには移行しません。どちらもアメリカ食品医薬品局のリスクカテゴリーではC(危険性は否定できない)となっています。
しかし、血栓を予防する作用のあるワルファリンは、胎盤を通過し胎児に異常を生じるため、妊娠中には使用できません。もし、使用していれば妊娠6週までにヘパリンに切り換えする事が必要です。
ヘパリン在宅自己注射の実施に際しては、しっかりと注射手技の教育を受けた上で、出血が止まらない、意識障害、冷や汗、まひなどの症状があれば、すぐに医療機関に連絡することが必要です。

ヘパリンの在宅自己注射に関しては、関係学会の指針も出ています。
http://www.jsognh.jp/common/files/society/demanding_paper_07.pdf
Q23 不育症治療をして出産した場合、次の妊娠も不育症治療が必要となりますか?
A23 不育症のリスク因子(原因)にもよりますが、次の妊娠でも同じように治療が必要となる場合があります。担当の先生とよく相談してみて下さい。
Q24 不育症の場合、妊娠前の普段の生活で注意することは何でしょうか?
A24 不育症では、不安やうつなどの精神的な問題が起きることがあります。悩みや疑問について、主治医の先生によく相談しておくことが大切です。不育症についてきちんと説明を受けることは妊娠予後にも良い効果をもたらします。
喫煙は流産に関与する可能性があるので禁煙した方が良いでしょう。過度のアルコールやカフェイン摂取も控えるようにして下さい。 また肥満も流産のリスクとなるので、適正な体重となるように管理しましょう。
Q25 なぜ、保険が効かない検査や治療があるのですか。
A25 不育症の一次スクリーニング検査や治療は、ほとんどが保険適用されています。一般に、有効性、安全性等が十分に確認されていない、研究段階の検査や治療については、医療保険が適用されません。今後の調査研究が望まれます。
Q&Aトップへ