齋藤　滋（学長）/　津田さやか（助教）

齋藤　滋	津田　さやか

富山大学医学部公衆衛生学講座
エコチル調査富山ユニットセンター
http://www.med.u-toyama.ac.jp/eco-tuc/index.html

稲寺　秀邦（教授・研究開発分担者）

稲寺　秀邦

　公衆衛生という言葉をご存知ですか。公衆衛生は「社会医学」という医学の1分野です。「臨床医学」とは異なり、病院等で直接患者さんと接することはありません。
　公衆衛生は英語ではPublic Healthです。Public は「みんな」、Health は「健康」あわせて「みんなの健康」です。「みんなの健康」が公衆衛生の目標です。その中で私たちは母と子の健康についての取り組みを行っています。
　私たちが現在携わっている「エコチル調査（子どもの健康と環境に関する全国調査）」について紹介いたします。「エコチル」は愛称で「エコロジー」と「チルドレン」を組み合わせて作りました。2011年より3年間で全国10万人の妊婦さんにご協力をいただき、生まれた子どもたちが13歳に成長するまでフォローしています。「エコチル調査」は妊娠中や出生後の子どもをとりまく環境要因が、子どもの成長や発達に及ぼす影響を明らかにすることを目的としています。
　子どもを授かることは大きな喜びです。生まれた子どもは元気に成長してほしいと誰もが願っています。そのためには、子どもの健康や成長に影響を与える環境要因を明らかにし、悪い影響を及ぼす要因を取り除くことが必要です。「エコチル調査」は次世代の子どもたちが健やかに育つ環境を贈る国家プロジェクトです。不育症とは直接は関連しないかもしれませんが、子どもをとりまく環境を好ましいものにかえていく重要な取り組みです。どうか応援をお願いいたします。